日本デザインマネジメント協会、第二期の抱負

JDMA代表理事 玉田 俊郎

21世紀に入り、環境問題や地球規模での人口増加と先進諸国の少子化、経済のグローバル化、技術革新は至るところでパラダイム・シフトを引き越している。
デザインの分野においてもすでに造形美術の規範を脱し社会性を帯びながら社会のさまざまな領域、分野にその役割と機能を発揮しつつある。
ユニバーサルデザインやインタラクションデザイン、サステナブルデザインなどデザイン概念は拡張し、異分野と異なる領域をジョイントしながら新たな価値を創出している。
デザインマネジメントは拡張するデザイン概念や機能、役割を社会や産業、生活にいかに有効に適用するか実証的、実戦的方法論を探究する。
マーケティングや経営学領域からの発信に、デザインの重要性を唱えるものが多くなった。
グローバル市場における競争を優位に維持している企業活動の中核にデザインがあるという認識が確実になっており、同時に、組織内の活力の源泉にもなっているのである。
デザインをスペシャリスト的立場に囲い込むだけでなく、ジェネラルな思考をもって、社会に対するデザインの有効性を再構築する必要がある。
 
今までの経済的価値に偏重した経営観だけでなく、“Management by Design” という立場から環境的価値、文化的価値、生活価値、美的価値など複合的思考を実践することが急務である。
 
社会構造の変化に伴ったソーシャルニーズを捉え、生活のなかに実現する。
かつ、社会システムをデザインする。
経営戦略にデザイン思考を活かし、価値創造型の新たなビジネスモデルを構築する。
 
これらの目的を達成することで、組織経営の社会性と継続性が保たれる。
こうした思考と実践を追求することがデザインマネジメントの理念である。
 

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